獣医大学の国家試験

獣医になるためには、獣医大学に通うほかに獣医師の免許を取得するために国家試験を受ける必要があります。獣医師国家試験の受験時期、試験方式、合格率、合格発表など、獣医となるために必要な国家試験について、詳しく説明していきます。憧れの獣医になるためにはどのような試験があるのでしょうか。(2022年1月調査時の情報:掲載時から情報が変更になる場合があります。内容に相違がある場合は、農林水産省ホームページが最新の情報です。)

獣医の資格と国家試験とは

獣医になるためには、獣医師の免許を取得するために国家試験を受けます。
獣医師の免許を取得するための試験は獣医師国家試験と呼ばれています。この国家試験の合格率は約85%と高いようにみえますが、獣医系の大学を卒業した人でも15%も落ちる、と考えると難易度の高さがわかるでしょうか。そのため合格には、しっかりとした準備が必要です。

獣医に必要な資格と受験料

獣医になるために必要な資格は、年1回の獣医師の国家試験に合格し、獣医師免許を取得します。受験料は13,900円です。

獣医師国家試験の受験資格

獣医師の国家試験を受けるためには、次のような受験資格が必要になります。

  1. 日本国内の高校を卒業もしくは、初等教育を含めて12年以上の教育課程を修了し、獣医大学で、6年間勉強し修了した場合。
  2. 獣医国家試験予備試験に合格した者
  3. 海外の獣医学校を卒又は、海外にて獣医師の免許を取得した場合、獣医師免許審議会又は獣医事審議会が獣医学の正規の過程(獣医学科・6年制)を修めて卒業したものと同等以上の学力及び技能を有すると認定した者

獣医師国家試験の受験時期

獣医師国家試験は毎年2月に行われます。

令和4年2月15日(火曜日)、令和4年2月16日(水曜日)

獣医師国家試験の受験申込方法

獣医師の国家試験を受験するには、期日までに受験願書(写真、返信用封筒)と以下うち該当の書類を添付します。

  • 卒業証明書または卒業見込証明書(のちに卒業証明書又は卒業決定証明書を追加で提出)
  • 卒業証明書および修了証明書(旧課程卒業者かつ獣医学修士課程修了者)
  • 昭和53年3月31日以前に大学に在学していたことを当該大学が証明する書類
  • 獣医師国家試験受験資格の認定書の写し(外国)
  • 獣医師国家試験予備試験合格証の写し
  • 獣医師免許証の写し(旧獣医師法の規定により獣医師の免許を受けた者)

外国の獣医学校を卒業し、又は外国で獣医師の免許を得た者の獣医師国家試験等の受験資格認定に係る申請手続は、「獣医師国家試験等受験資格申請書」に次の書類を添えて獣医事審議会事務局への提出が必要となります。

  • 履歴書
  • 獣医大学の卒業証書の写しまたは、卒業証明書
  • 卒業した獣医大学の入学資格及び修業年限を説明する書類
  • 海外で獣医師免許を取得した場合には、その獣医師免許の写し
  • 卒業した獣医大学の刊行物、ホームページ等の抜粋あるいは、当該の獣医大学が作成した書類
  • 卒業した獣医大学の履修科目と、各科目の履修時間数と、授業内容に関する書類
  • 海外の高校を卒業している場合は、独立法人国際交流基金か、公益財団法人日本国際教育支援協会が実施している日本語能力試験1級の資格を正目する書類

申請書の受付は、例年2回(5月・11月ごろ)実施しています。詳細は農林水産省ホームページを参考にしてください。認定された場合に限り、獣医師国家試験(例年2月中旬に実施)を受験することができます。

獣医師国家試験の試験方式

獣医師国家試験の試験方法は、必須問題に関する試験や学説に関する試験と、実施試験があります。
試験の出題数は、次の通りです。

・必須科目:50問
・学説に関する試験:160問
・実地試験:120問
—————————————–
合計:330問

なお、必須試験や学説に関する試験、実地試験に関する試験はいずれも筆答による
マークシート方式となっています。

https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/zyui/shiken/attach/pdf/shiken-123.pdf  (獣医師国家試験:農林水産省より)

獣医師国家試験の受験会場

令和4年の獣医師国家試験は以下の会場は以下となっています。
北海道:北海道札幌市中央区北4条西5丁目 アスティ45 16階 会議・研修施設ACU
東 京:東京都江東区有明3-5-7 TOC有明
福 岡:福岡県福岡市博多区博多駅前4-2-25 代々木ゼミナール福岡校

https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/zyui/shiken/attach/pdf/shiken-123.pdf
(第73回獣医師国家試験 – 農林水産省より)

獣医師国家試験の合格率、合格発表

獣医師国家試験の合格基準は、必須試験については70%以上、他の問題(学説A・Bと実地C・D)に関しては、総合点の60%以上となっています。
令和3年に実施された試験(第72回)試験の合格率は以下の通りです。獣医になるための国家資格は、新卒時に取得されるケースがほとんどです。

  • 新卒:92.1%
  • 既卒:37.6%
  • その他:25.0%
  • 合計:83.2%

https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/zyui/shiken/attach/pdf/shiken-113.pdf(獣医師国家試験の結果(過去5年間)についてより)
大学別に合格率が異なります。

  • 【大学別】獣医師国家試験の合格率ランキング
  • というページに、合格率をランキング形式でまとめて掲載しています。
    なお、合格発表は、農林水産省のホームページに合格者の受験番号が資料としてアップされるのでそちらで確認することができます。第73回獣医師国家試験の合格者は、令和4年3月15日(火曜日)午前10時に農林水産省ホームページの報道発表資料のページ(https://www.maff.go.jp/j/press/index.html)にその受験番号を掲示して発表されます。

    獣医師国家試験の予備校

    獣医師国家試験合格を目指した予備校もあります。

    獣医師国試対策アカデミー

    国家試験に精通した講師によるマンツーマン個別指導
    秋葉原教室又はご自宅での家庭教師指導

    獣医の資格は、大学を卒業するだけでもらえるわけではなく、獣医師国家試験を合格してもらえる資格です。獣医師国家試験は年1回しか試験がなく、会場が全国で3か所と限られています。提出書類を用意する手間などから卒業後の最初試験で合格することを目指してがんばりたいものですね。

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