獣医師国家試験に不合格 落ちた人はどうなる?

獣医師国家試験に不合格 落ちた人はどうなる?

獣医師になるための獣医師国家試験に合格すると、獣医師免許が与えられ、毎年約1000人弱の獣医師が誕生しています。しかし、もちろん獣医師国家試験に不合格の人も毎年います。国試浪人とは?試験に落ちるとどうなるのでしょうか?

獣医師になるには獣医師国家試験に合格が必須

獣医師になるには、6年生の獣医学科を卒業(または卒業見込み)した後、農林水産省が定める獣医師国家試験に合格しなければなりません。しかし、残念ながら全員が合格する試験ではなく、毎年不合格者が出ています。

2022年度「第74回獣医師国家試験」は、2月14日15日に北海道、東京、福岡の試験地で実施され、3月14日に合格発表がありました。受験者数1,254人に対し、合格者は877人、合格率は69.9%という結果となり、過去5年で最低の合格率でした。

内訳としては、
新卒受験者993人に対し、805人が合格、合格率は81.1%
既卒受験者242人に対し、67人が合格、合格率は27.7%
例毎年、新卒の方が合格率が高くなります。

年に1回実施される獣医師国家試験に不合格となると、獣医学科の大学を卒業しても「獣医師」の免許は取得できません。つまり、不合格になると最短でも1年後の試験までは獣医師になれないのです。

参照)
第74回獣医師国家試験(令和4年度)の結果について
獣医師国家試験

獣医師国家試験の大学別の合格率

大学別の獣医師国家試験の合格率ランキングは以下の記事で詳しく解説しています。

【大学別】獣医師国家試験の合格率ランキング

獣医師国家試験の合格率は大学によって異なります。第74回獣医師国家試験で9割を超える合格率だったのは以下の大学です。

山口大学 94.3%
岩手大学 93.8%
鳥取大学 92.1%
鹿児島大学 90.0%

一方、東京大学は例年に比べ合格率が大幅下落しました。
東京大学 51.7%

その他の大学の合格率は以下の通りです。

北海道大学 79.5%
帯広畜産大学  78.3%
東京農工大学 76.9%
岐阜大学  69.7%
宮崎大学  67.9%
大阪府立大学 70.7%
酪農学園大学 80.5%
北里大学 86.5%
日本獣医生命科学大学 72.4%
日本大学 87.1%
麻布大学 83.7%

例年の大学別合格率をみても、大学受験時に偏差値が高い獣医大学が、獣医師国家試験の合格率が高いかというと、必ずしも相関性はないようです。これは2022今年度に限ったことではありません。

学科の特性上、大学受験時に獣医師国家試験の合格率をみて志望校を選ぶ学生も少なくないため、大学別合格率を重要視している大学も多いです。

参照)
獣医師国家試験の結果(大学別)
獣医師国家試験
【大学別】獣医師国家試験の合格率ランキング

獣医師国家試験に不合格 落ちた人は国試浪人に

獣医師国家試験は不合格となる場合もあることがおわかりいただけたと思います。では、獣医師国家試験に不合格になったらどうなるのでしょうか。落ちた人はどうするのか、気になりますよね。

獣医師国家試験に落ちた場合、前述した通り翌年の試験まで獣医師になれないため、大学を卒業しても、獣医師業務を行うことはできません。

就職が決まっている場合、獣医師試験に落ちたこと、つまり獣医師として働けなくなってしまったことを内定先にお伝えしなければなりません。内定先によっては、内定取り消しになることもあります。場合によっては、獣医師免許を必要としない業務をお願いしてもらえることもあるかもしれません。

落ちてしまった人は翌年の試験での合格を目指す場合、勉強を続ける必要があります。再度国家試験にチャレンジすることをよく「国試浪人」と呼びます。医師、薬剤師、看護師などでも国家試験に不合格のため国試浪人となり、再度受験することがありますが、獣医師国家試験でも同様です。「既卒合格率」というのが、国試浪人生の合格率です。例年、既卒合格率は低くなる傾向にあり、大変厳しい状況です。やはり、一度落ちた試験の勉強を、仕事しながらまた1年頑張り続けるというのは、メンタル的にも辛くとても大変なことです。

獣医師国家試験に関しては、回数制限はありません。何年以内に合格しなければならないという期間もないため、何度も挑戦することができます。一浪して受験、二浪以上する人もいます。

年に一度の獣医師国家試験。十分な勉強をして臨んだとしても不合格になる人もいます。体調不良、寝不足、思わぬ出来事で集中できないまま落ちてしまったという人も。
筆者は1年国試浪人し、2度目の国家試験にて合格しました。臨床や企業を経験しましたが、国試浪人したことがその後働く中で弊害になったと感じたことはありません。苦労した事は2点あります。不合格直後のメンタル面と、不合格が決定した後どうすればいいのか、情報をどう集めたらいいのかという点でした。振り返ると、同じ境遇の同級生や国試浪人経験者を探し、前例を参考にして、自分に合った勉強を続けられる環境を見つけたことが、翌年の合格に繋がったと思っています。
よければ以下の国家試験不合格体験記も参考にしてください。落ちた直後からの様子をまとめています。
【獣医師国家試験不合格体験記】 ~国試が不合格だった皆さんへ~
獣医師国家試験の合格は獣医師になるために必須ですが、所詮机上の勉強での能力を測るものです。国試浪人は恥ずかしいものではありません。この試験での成績と、その後の獣医師としての価値は比例しません。何浪かして遂に合格し、立派な獣医師になった人は沢山います。結局、獣医師になっても勉強は続きますから、獣医師を目指すその意志がある限り、是非あきらめないでほしいと思います。

関連ページ

獣医大学の国家試験
【大学別】獣医師国家試験の合格率ランキング
獣医師インタビュー
獣医大学卒業後の進路・就職先

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