獣医の給料と年収




獣医というと、高給取りのイメージがありませんか。実は獣医と一口にいっても、活動の場、臨床病院の規模、勤務年数によって、年収に差があります。年収のわりに仕事内容がハードな仕事と言われており、収入に見合った労働内容にするには、獣医という仕事が好きで、どれだけやりがいや情熱を持てるかにかかってくる仕事のうちの1つかもしれません。以下で、獣医の平均的な年収や独立開業した場合の給料を見ていきます。

獣医の平均的な年収は?

獣医の給与・年収について

獣医の初任給は地域によって違いはありますが、おおよそ23万円前後からのスタートとなります。院長クラスになると、35万円ほどになりそうです。獣医の給料は、動物病院の規模や建研・技術によって差が出てきます。獣医の中でもその自治体に就職した場合、基本的には地方公務員となるので、給与体系は、地方自治体ごとに違います。また、医薬・製薬関連の企業へ就職した場合、企業の規模によって収入に差がありますが、一般的には公務員より収入が多いといわれています。

一般的なサラリーマンより高いのか

獣医の年収は一般的なサラリーマンと比べて高いのでしょうか。平成27年の調査によると、40歳で639万ほどとなり、一般的なサラリーマンよりは多いといえます。

年齢と年収の変化

獣医の年齢別の年収を見ていくと、25~29歳では、男性が397万円、女性が421万円となっていますが、30~34歳では、男性が525万円、女性が439万円と男女が逆転します。その後、年齢別のピークは50~54歳になり、男性994万円、女性が816万円となっています。男女別の平均年収では、男性が614万円・女性が470万円となり、女性のほうが100万円程度低い金額です。
※参照:平成28年賃金構造基本統計調査 結果の概況

獣医の平均年収統計(厚生労働省の賃金構造基本統計調査参照)

平成28年の賃金構造基本統計調査では、以下のようになっています。

  • 平均年齢:35.9歳
  • 勤続年数:7.4年
  • 労働時間:168時間/月
  • 超過労働:11時間/月
  • 月額給与:405,600円
  • 年間賞与:819,700円
  • 平均年収:5,686,900円

出典:厚生労働省「平成28年 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。

労働時間の長さについて

一般的なサラーリーマンより年収が高い獣医ですが、動物病院に勤務医として働いている場合、勤務時間は、1日12時間以上となることが多いです。また、休診日は週1日の場合が多いので、お休みも週1日だけの病院も多くあります。
急患が入ってくる場合もあるので、お休みの日もゆっくりとしていることはできないとのこと。ただし、交代制でお休みをとれるような規模の病院でしたら、ゆっくりとお休みすることができるでので労働時間は勤務している動物料金により異なってきそうです。

動物園やJRAの獣医は年収が高い?

獣医師にも様々な種類があり、仕事内容によって年収が変わってきます。
今回は獣医師の中でも人気な動物園とJRAの年収をご紹介します。

動物園獣医師の平均年収

動物園獣医師の平均年収は約400~450万円となっており、平均月収は約30万円前後となっています。
一般的な勤務医と比較すると、やや高い年収となっていますが、基本的に動物に合わせることが多く、長時間労働になる傾向があります。

動物好きといった面だけでなく、臨機応変に対応できる体力も求められるでしょう。

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JRA獣医師の平均年収

JRA獣医師の平均年収は約650~1,200万円となっており、他の獣医師と比較すると、年収が高い傾向にあります。
というのも、JRAは、農林水産大臣のもと、日本政府が資本金の全額を出資しており、安定しています。

参照:日本中央競馬会(5010405002453)の役職員の報酬・給与等について

そのため、JRAへ就職を希望する獣医学部生も多く、倍率の高さから就職難易度も高くなっています。
特に獣医師は毎年5~6名ほどの採用となっており、JRAへの獣医師就職は狭き門となっています。

【関連記事】【JRAの獣医】就職難易度・年収は?

獣医として独立開業すれば年収が高くなる?

独立開業するなら

獣医となったからには、いつか自分の病院を持ちたいという想いをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。では、独立開業した場合に年収は変わってくるのでしょうか。
独立開業するには、まずは以下の準備資金、開業資金が必要になってきます。

  • 医療機器代:1,000万円~1,500万円
  • リフォーム代:500万円~1,000万円
  • 不動産費用:100万円~200万円
  • 人件費:20万円/人
  • 雑費:100万円~300万円

最大で3,000万円ほどかかります。そのため、多くの動物病院が融資を得て開業しています。開業のために自己資金は、一般的には、10%~20%、つまり300万円~600万円ほど貯めてから開業するケースが多いです。

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何歳くらいが独立目安?いくら貯めれば良い?

開業資金は先に記載したように約3.000万円の多額の資金が必要です。そのため、多くの獣医が融資によって開業資金を集めるそうです。独立の平均年齢は融資が通りやすい30~40代が多いです。

資金調達には以下の2つの方法があります。

  1. 日本政策金融公庫からの融資
  2. 制度融資

1の日本政策金融公庫は、資本金の全額を政府が出資している政府系金融機関なので、民間の銀行から資金調達が困難な企業でも融資を行ってくれます。
2の制度融資は、地方自治体と信用保証協会と金融機関の3者の協力によって行われる制度です。それぞれの融資限度額や返済期間は次の通りです。
日本政策金融公庫(新規開業資金の場合)
・融資限度額:7,200万円(運転資金:4,800万円)
・返済期間:設備資金は原則、15年以内
運転資金は原則、5年以内
・利率:固定金利と変動金利があります。
制度融資(東京都の「創業融資」の場合)
・融資限度額:原則、2,500万円
・返済期間:運転資金は7年以内
設備資金は10年以内
・利率:固定金利と変動金利があります。

開業医と勤務医だと年収差はどのくらいあるの?

独立開業を希望している獣医の方は、開業医と勤務医の年収差が気になるところですね。勤務医と開業医の年収差を見てみましょう。
・勤務医:約250万円~400万円
・開業医:約500万円~1000万円
開業医のほうが、勤務医より年収は多くなります。開業医の中でも、立地が良く患者が多い病院では年収も高くなるようです。ですが、先に書いたように開業には開業資金がかかること、それから、成功される開業医だけでないことは念頭に入れないといけません。勤務医の時のように病院にいれば、患者となる動物が来るわけではないのです。獣医として、夢の独立開業をしても、立地条件や患者数によっては、思った通りの収入が見込めるとは限りません。獣医としての激務に気持ちが折れることなく、自分に自信をもって業務に専念するためには、精神的なタフさも必要です。ただ、動物が好きで、人のためになりたいという気持ちだけでは成り立たないのが経営です。獣医としてだけでなく、経営者としての資質も問われますので、しっかりと考えて開業することをおすすめします。単に収入面だけをみて独立するのでは通用しない、厳しい世界なのかもしれませんね。

独立開業以外選択肢について

獣医の資格を取得しても、独立開業しない場合の選択肢としては、地方自治体への就職や、医薬・製薬関連業、ペットフード関連業、民間の動物園や水族館、養牛場や養豚場、競走馬育成施設やNPO法人などといった動物が関係している会社や団体であれば獣医の活躍の場は広がっています。その場合年収は本当に様々になってきます。

以上、獣医の年収と給料について、みてきました。予想通りだったでしょうか。勤務医なのか、開業医なのかで収入は変わってきます。また今回は収入面だけみましたが、獣医には簡単になれるものではなく、獣医になるには、狭き門といわれる獣医大学に合格し、獣医学科のある大学で6年間学び、獣医師国家試験に合格した人がなれる職業です。(獣医になるには 参照)安易に「年収が良いからなろう」という考えではおすすめできない仕事となります。Pettie獣医大学では、獣医の資格と国家試験獣医大学の学費について獣医の仕事について – やりがい、辛いことは何?などの情報を掲載しています。獣医大学に興味がある人は、是非併せてご覧ください。

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