北里大学獣医学部は、2025年4月より新たに「グリーン環境創成科学科」を創設します。次世代の環境科学とバイオサイエンスに取り組む新たなフィールドです。この記事では、北里大学獣医学部グリーン環境創成科学科の概要、入試情報、求める学生像、卒業後の進路について解説します。
目次
北里大学獣医学部
北里大学は、日本において医学・獣医学の分野で重要な役割を果たしてきた私立大学です。その中でも獣医学部は、動物医療や環境保全に貢献する優秀な人材を育成し続けてきました。その歴史は深く、北里柴三郎氏の理念を受け継ぎ、動物と人間の健康、そして地球環境との調和を目指した教育を展開しています。
獣医学部は、学生が自らの関心や将来像に基づいて学ぶことができる多様な学科構成を持っています。中でも獣医学科は、獣医師を目指す学生に専門的な教育を提供しており、動物医療の基盤となる知識を深めることができます。
また、動物資源科学科では、畜産や動物資源に焦点を当てた研究が行われており、アニマルサイエンス分野とバイオサイエンス分野からなる充実したカリキュラムが組まれています。
生物環境科学科では生態系保全や環境管理の重要性を学ぶ機会が提供されてきました。このように、北里大学獣医学部は多角的な視点から社会貢献を目指す学びを提供しています。
参照:北里大学獣医学部HP
北里大学獣医学部グリーン環境創成科学科が新設
2025年4月、北里大学相模原キャンパスに新たな学科「グリーン環境創成科学科」が設立されます。4年制のこの学科は、生態系の保全や環境修復に取り組む人材を育成することを目的とし、従来の生物環境科学科を発展的に解消する形で誕生しました。これに伴い、生物環境科学科は2025年度の入試から募集を停止しています。キャンパスは、4年間相模原キャンパスです。
グリーン環境創成科学科は、従来の環境科学の枠を超え、フィールドデータサイエンスとグリーンバイオサイエンスという2つの主要分野を中心に据えた教育カリキュラムを導入します。学生は、フィールド調査や実験を通じて環境問題に向き合い、科学的知見を応用するスキルを養うことができます。
北里大学が公開した学科紹介動画を通じて、この学科の具体的な学びや特徴をさらに深く知ることができます。
参照:
学科紹介動画
北里大学獣医学部グリーン環境創成科学科
北里大学獣医学部グリーン環境創成科学科の入試情報
北里大学獣医学部グリーン環境創成科学科の入試は、一般入試、推薦入試、総合型選抜試験など多様な方式で行われる予定です。
受験科目は数学、英語、理科(化学・生物)が中心になると予想されます。新設学科のため偏差値はまだ公表されていませんが、前身となる生物環境科学科の偏差値(55前後)に近い水準となる可能性があります。
この学科の募集人数は約100名です。入試制度別人数は、指定校推薦にて10名、一般選抜にて60名、総合型選抜では15名となっています。
初年度納入金は約165万円(入学金含む)、2年目以降は年間約160万円の学費が必要となります。(2025年度学費参照)
最新の情報は、北里大学の公式サイトで随時更新されていますので、受験を検討している方は公式ページをチェックしてください。
参照:
・北里大学入試情報
・北里大学 グリーン環境創成科学科 学費
北里大学獣医学部グリーン環境創成科学科こんな学生におすすめ
北里大学獣医学部グリーン環境創成科学科は、次のような資質を持つ学生に特におすすめです。
まず、生命科学に興味があり、実験やフィールド調査が好きな方が向いています。この学科では、フィールド調査や研究室での実験を通じて、環境科学の基礎から応用まで幅広いスキルを習得することができます。
また、将来は環境保全や修復に関わる技術者として社会に貢献したいという強い意志を持つ学生も歓迎されます。この学科では、実践的な教育を通じて、環境修復技術のスペシャリストや生態系保全のプロフェッショナルを育成します。
さらに、積極的に勉学に励む姿勢とともに、周囲と協力して課題に取り組むコミュニケーション能力が求められます。グループ作業や現場での実践を重視する教育方針のもとで、リーダーシップを発揮できる力を養います。
以下、学生募集要項記載の「総合型選抜試験で求める学生像(期待する学生)」より抜粋いたしました。
グリーン環境創成科学科
本学科では、学科の理念や教育目標をよく理解し、さらに次のような条件に合致する学生を求めています。
( 1 )生命科学を対象とした実験実習が好きであること
本学科はフィールドデータサイエンスとグリーンバイオサイエンスの基礎から応用までの幅広い教育を行います。また、 3 年後期から配当している卒業論文でも、フィールド調査と解析、研究室での実験を対象としています。このようなことから、フィールドから研究室までを活躍の場と考えるような学生を求めます。
( 2 )将来は技術者として貢献したいという明確な目的意識をもっていること
本学科では、生態系の機能解明と保全ができる技術者及び破壊された環境を修復することができる技術者を養成しています。そのため、将来技術者として社会に貢献しようという目的意識を明確に持った学生を求めます。
( 3 )積極的に勉学に励む姿勢とコミュニケーション能力があること
本学科は、実社会において常に進歩している技術を積極的に取り入れ、作業グループをリードできる技術者の育成を目指しています。また、グループで作業する技術者には、周囲と協調できるコミュニケーション能力が重要となります。そのため、周りとコミュニケーションをとりながら、積極的に勉学に励む学生を求めます。
参照:
・グリーン環境創成科学科
・募集要項・出願書類|北里大学
北里大学獣医学部グリーン環境創成科学科卒業後の進路と取得できる資格
北里大学獣医学部グリーン環境創成科学科では、卒業要件単位に含まれる科目のほか、教職関連科目の履修により、中学校および高等学校の教諭免許状(理科)を取得することが可能です。これにより、教育分野でのキャリアを築く道も開かれます。
(※文部科学省による審査の結果、予定している教職課程の開設時期等が変更になる可能性があります。)
また、卒業後の進路としては、環境関連企業、情報通信業、食品関連業、さらには国家公務員や地方公務員といった公的機関への就職が挙げられます。
グリーン環境創成科学科は、動物関連の研究や職業だけでなく、農業や環境分野においても幅広い活躍の場を提供します。特に環境科学に特化した技術者を目指す学生にとって、この学科は理想的な教育環境と言えるでしょう。
グリーン環境創成科学科は獣医学部ですが、獣医師免許を取得することはできませんので注意が必要です。獣医師になりたいという受験生は、北里大学の場合、獣医学部獣医学科への入学を目指しましょう。
北里大学の新学科創設に関して、「地球(プラネット)のドクターのように、環境科学、自然科学、データサイエンス、農学など、さまざまな分野をボーダレスに学び、環境問題を解決に導く力を身につける。」と報道されています。地球や動物と共生していく技術を研究していくことは、獣医学の一つでもあります。
環境やバイオサイエンスに関心のある方は、ぜひグリーン環境創成科学科を検討してみてはいかがでしょうか。
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