獣医になりたい中学生必見!高校は何科を目指すべき?卒業生からアドバイス

獣医になりたい中学生必見!高校は何科を目指すべき?卒業生からアドバイス

獣医になりたいけれど、「どんな高校に行けばいいんだろう」「普通科と農業科なら、どっちが有利?」と悩んでいる中学生の方はぜひ読んでほしい記事です。

獣医師は、犬や猫の診療だけでなく、動物園、水族館、農業、食品衛生など多様な場で活躍する、国家資格を持つ専門職です。
でも、「どの高校に行けばいいの?」「何科を選ぶべき?」と迷うこともあるかもしれません。

この記事では、実際に獣医師になった卒業生の視点から、高校選びのヒントや受験の現実、そして中学生の今できることを丁寧に紹介します。
獣医を目指す第一歩として、ぜひ参考にしてください。

獣医になりたい

動物が好き、将来は動物に関わる仕事がしたい――そんな気持ちから、「将来は獣医になりたい」と思う中学生もいるかもしれません。獣医師は、犬や猫などのペットの病気を診療するだけでなく、動物園や水族館、食の安全を支える公衆衛生や畜産など、幅広いフィールドで活躍できる国家資格です。

日本で獣医師になるには、指定された課程の大学(主に獣医学部獣医学科)を卒業し、獣医師国家試験の合格が必要です。

全国には、獣医師の資格を取得できる獣医大学は国公立と私立を合わせて17校しかなく、非常に狭き門です。

参考)獣医大学とは https://jyui.net/what/

そして、その獣医大学で6年間学び、必要な単位を取得したうえで、「獣医師国家試験」に合格しなければなりません。合格後は、はれて国家資格を持つ獣医師として働けるようになります。

このように、獣医師になるには「17校のいずれかに合格→6年間学び、卒業→国家試験に合格」というステップが必要です。
そのため、中学生のうちから「どの高校に進学すれば、獣医学部に入りやすくなるか」と逆算して考えることは後々の受験にも有利になるかもしれません。

参照)獣医になるには https://jyui.net/howto/

獣医になる高校選び、何科に行く?

獣医師になるには、まずは獣医学部に合格することが必要です。

前提として、どの高校を卒業しても獣医学部の大学入試を受けることはできます。
とはいえ「どの高校に進むか」「高校ではどの学科を選ぶか」という悩みを持つ人は多いかもしれません。
ここでは実際の合格実績や学校のコース内容を参考にしながら、進路選びのヒントを紹介します。

獣医学部の合格実績を参考に高校を選ぶ

まずは入試結果として合格者の出身高校を公表している獣医大学を見ていきましょう。

~出身高校を公表している大学~

日本獣医生命科学大学 入試合格者出身校
出身高校の一覧(PDF)を見ると、都立や県立の進学校、有名私立高校などが多く並んでいます。
https://www.nvlu.ac.jp/nichijyunavi/admissions/result.html

麻布大学
学部別に出身高校の情報が記載されています。
https://fanclub.azabu-u.ac.jp/c-life/graduate_from/

酪農学園大学
北海道にある酪農学園大学でも、出身高校が掲載されており、道内の公立高校を中心に、進学校含め様々な都道府県から集まっている印象です。
https://nyushi.rakuno.ac.jp/guidance/student.html

いずれも学科の記載はありませんでしたが、全体的に偏差値が高い高校が目立ちました。

獣医学部に内部進学できる高校

獣医学部のある大学の中には、付属高校を持っており、そこから「内部進学」という形で進学できるケースもあります。

とわの森三愛高等学校(北海道)
2022年度に新設された「特進GROW-UPコース」では、酪農学園大学(獣医学群)への進学を視野に入れたカリキュラムを提供しています。
2023年度実績では、酪農学園大学に57名が進学し、そのうち獣医学類に2名が合格しています。

参考:進路状況 | 酪農学園大学附属 とわの森三愛高等学校

麻布大学附属高校(神奈川県)
麻布大学には附属高校も存在し、内部進学の道があります。例年数名が獣医学部へ進学しています。2025年春大学合格者数では、麻布大学に9名が進学し、そのうち獣医学科に2名が合格しています。

参考:進学実績 | 麻布大学附属高等学校公式サイト

いずれの高校も、「内部進学」は無条件ではなく、成績や面接など一定の条件をクリアする必要があります。その上でさらに選抜された若干名しか獣医学課程に進学することはできません。

獣医大学に進学する選択肢の一つとして、検討する価値はありそうです。

獣医になるには何科を選ぶべき?

「獣医になりたいなら農業科がいい?」と考える人もいるかもしれませんが、実際には多くの合格者が「普通科」出身です。獣医師になりたいなら高校は普通科を選ぶ方が良いという理由は以下の3つになります。

理由:

  • 獣医学部の入試では、英語・数学・理科(生物や化学)など基礎学力が重視される
  • 業系の専門学科では入試科目の対策に不利になることがある
  • 偏差値の高い普通科高校では、大学受験に向けた学習環境が整っている

ただし、普通科に行ったから獣医になれるという訳ではありません。「この高校に行けば絶対に獣医になれる」というような学校やコースは存在しません。どの高校であっても、勉強に真剣に取り組み、進路を見据えた行動ができるかどうかがカギです。

獣医になりたいけど頭が悪い

「獣医になりたいけど、自分は頭が悪いから無理かもしれない」そう悩む中学生もいるかもしれません。でも、まず最初に伝えたいのは、現時点で「頭が悪い」と感じているからといって、獣医になる夢を諦めるにはまだ早いです。

獣医になるためには確かに勉強が必要で、受験の壁は高く感じられるでしょう。しかし、これからの努力次第で、いくらでも可能性は広がります。

前述の通り、獣医師になるためには以下のステップが必要です。

  1. 全国に17校しかない獣医学部・獣医学科のある大学に入学する
  2. 大学で6年間学び、卒業する
  3. 獣医師国家試験に合格する

このうち最初の「大学合格」が大きなハードルであり、どの大学も難関校です。国公立大学なら偏差値65以上、私立大学でも60前後が目安とされます。つまり、「なんとなくの勉強」では合格は難しいというのが事実です。

参考)獣医大学・獣医学部 偏差値ランキング

ですが、これは「天才しか受からない」という意味ではありません。多くの受験生がコツコツ努力して合格しているのです。
たとえ今は自分は「頭が悪い」と思ってしまっていても、高校でしっかりと勉強すれば、進学のチャンスは十分にあります。

残念ながら、どの職業に就こうと勉強は永遠に必要です。
おどかす意図はありませんが、獣医大学に入ってからは想像を絶する量の勉強が待っています。
獣医師になる夢を叶えるために必要なのは、才能よりも「継続できる力」「あきらめない力」です。粘り強く頑張りましょう。

まずは、目の前の勉強に集中しましょう。学校の授業を大切にして、苦手科目を一つずつ克服していくこと。それが獣医への第一歩です。

参考)獣医大学一覧

獣医になりたい中学生へ、卒業生から高校選びのアドバイス

獣医になりたい中学生へ、実際に獣医師になった卒業生の視点から高校選びのアドバイスです。

「獣医になりたい」と言えるあなたへ、まず伝えたいこと

中学生のうちから「獣医になりたい」という目標・夢があること自体がとても素晴らしいことです。多くの人は、将来の目標を見つけられずに悩みます。そんな中で、具体的な職業を考えられるあなたは、すでに大きな一歩を踏み出しています。

高校選びで後悔しないために考えておくべきこと

残念ながら、「この高校に行けば必ず獣医になれる」という特別な学校はありません。

しかし、高校選びのアドバイスとなると、偏差値の高い高校に行くことが近道だと言わざる負えません。合格率や進学実績をふまえると、偏差値の高い高校を目指すことが、効率のよい選択肢だと言えます。

理由はシンプルで、大学受験で必要な学力を、効率よく身につけることができる環境が整っているからです。定期テストの質、周囲の学習意識、先生の指導力、どれも受験に直結しています。

偏差値だけでなく、「自分が伸びやすい学校かどうか」も重要なポイントです。

  • 落ち着いて学べる環境があるか
  • 授業や課題のレベルが自分に合っているか
  • 志望大学に向けた進路指導が充実しているか

獣医学部を目指すには、3年後の大学受験を見すえた高校選びが大切です。自分の性格や学力、通学距離などをふまえて、しっかり比較しましょう。

勉強以外にも、今できることはたくさんある

獣医師になるには、もちろん勉強が大切ですが、それだけではありません。高校生になる前から取り組めることもたくさんあります。

たとえば

  • 動物とふれ合う機会を増やす(ボランティアや飼育体験など)
  • 獣医師に関するニュースや本を読む
  • 大学のオープンキャンパスや動物関連イベントに行ってみる

特に、イベントに参加してみることはおすすめです。

大学のオープンキャンパスや学園祭だけでなく、動物関連イベントにも獣医大学ブースが設けられていることがあります。
そこにはだいたい学生か大学広報課などの職員、まれに教職員もいらっしゃり、普段は聞けない質問に答えてくれる場合があります。
高校選びはどうしたらいいか、実際どう選んだかを聞くと、答えてくれるかもしれません。

実際私も中学3年生の頃からそのようなイベントには足を運び、最終的には名前を覚えてもらえるようにまでなりました。最新で生の情報を得ることができる良い機会です。

自分のことを知る

学校の先生や友達に褒められたことは何か、そこまで努力しなくても人並みにできたことは何か、興味を持ったニュースは何か、逆にどんなことに苦労したか、どんなことに怒りを覚えるか等、自分のことについて把握するチャンスは、中学生にもたくさんあると思います。

その中で、自分はどんなことが得意・不得意で、何が好き・嫌いなのかが見えてきます。それが将来の指針になるかもしれません。

獣医になるための高校選びに正解があるわけではありませんが、進学実績や勉強環境を参考にして、自分に合った学校を見つけていくことが大切です。

「獣医になりたい」という気持ちがあるなら、それをもとに少しずつ準備を始めてみてください。
今の段階では、興味のあることを深めたり、勉強の習慣を整えたりするだけでも十分な一歩です。

関連ページ

獣医になるには
獣医の仕事について – やりがい、辛いことは何?
【小学生向け】獣医になるには

関連記事

  1. 獣医学生向けの予備校一覧

    獣医大学 予備校一覧

  2. 獣医大学受験勉強中の健康管理

  3. 獣医大学に何年通う?年数は6年?

    獣医大学に何年通う?年数は6年?

  4. 獣医学部のある大学

    獣医学部のある大学

  5. 獣医になる資格の取り方

    獣医になる資格の取り方

  6. 獣医大学の名門はどこ?

    獣医大学の名門はどこ?

おすすめ特集

獣医大学入試情報 獣医大学志望校の選び方 獣医大学の奨学金 オープンキャンパス情報 獣医大学の学園祭 獣医師国家試験合格率