獣医師広報版(http://www.vets.ne.jp/)というサイトをご存知でしょうか。
その名の通り獣医師とペット飼育者や獣医師を目指している方が直接獣医師への質問や、動物園や水族館の情報提供、獣医大学の情報提供について紹介しているサイトです。
町の犬猫病院の獣医師が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトで日本のペット・動物サイトとして最大規模の情報量を誇る、総合サイトになります。
Twitterアカウント(@mukumuku_vets)もあるので、そちらからの情報収集も可能です。
この「獣医師広報版」のサイトから発信されている情報を具体的に紹介していきましょう。
獣医師広報版動物相談ついて
こちらのサイトでは、下記のような記事が掲載されています。
・野生鳥獣を持ち帰らないで!
・動物由来感染症と人由来感染症
等の情報が常に更新されています。
筆者が閲覧した際は下のような記事がありました。
・野生鳥獣を持ち帰らないで!
こちらの記事では、春先から夏にかけて起こる野鳥のひなや幼獣を善意のつもりで保護しないようにと注意勧告をしています。
理由は、ひなや幼獣は巣立ちの準備のため巣から離されている状態にあるからです。
この時は、かなり高い確率で親が自分の子供を見守っています。
そんな時に善意であっても、触ってしまうことで人のにおいがつくと、親が育児放棄をしてしまい、結果その子供は親から餌をもらえなくなります。仮に持ち帰ったとしても野生動物の多くは、「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」等によって許可なく捕獲や使用することを禁じられています。詳しくは環境省のホームページをご覧ください。
最近では芸能人がスズメを飼育していたと話題になりました。
野生鳥獣は野生の状態のまま見守る程度にしておくことが一番です。
野生の生き物は野生で育つ方がその子の幸せのためなのです。
※参考UPL:野生鳥獣を連れ去らないで!
・動物由来感染症と人由来感染症
こちらの記事では、野生動物との不用意な接触によって人畜共通感染症を引き起こす可能性もあります。特に今問題となっているのが、高病原性鳥インフルエンザです。
高病原性鳥インフルエンザのような人畜共通感染病に感染しないためにも、不用意に接触することはやめましょう。
「動物由来感染症」と聞くと、動物から一方的に感染すると思われがちですが、
動物から人へ一方的に感染するのではなく人から動物へ、動物から人へ感染します。
動物と触れ合った後はしっかりと手を洗うようにしましょう。
※参考URL:動物由来感染症と人由来感染症
このように、サイトには動物に関する情報や知識、相談が掲載されています。
獣医師と動物愛好家、獣医師を目指す人のコミュニケーション広場
こちらのサイトには獣医師との意見交換掲示板があります。去勢時の麻酔についての意見交換を例に見ていくと、猫の去勢手術時の麻酔は、注射麻酔のみで安全なのか。について質問がありこれに対する獣医師との意見交換が行われていました。
意見交換掲示板では、ペットとの旅行時の注意点や防災時の注意情報や、病気についてまた、動物の生理生態ついてといった質問から進路の相談まで獣医師がかかわるすべての情報の交換の場となっています。先に紹介した「動物よくある相談」もありますので、気軽に獣医師に相談することができるサイトとなっています。
意見交換掲示板の中でも興味をひかれたものがカテゴリ「進路」での以下の質疑です。
「動物実験の実習など、生き物を殺さずに獣医師になれませんか」との質問に対して、
「動物の死を無駄にしない」「命の重身と向き合う必要性がある」というむねの回答がされていました。回答の中で、「獣医師になってから自分の患者では手術の練習はできない。心を持たないメスは、ただの凶器に過ぎない。心の通ったメスにするために命の重さや死を恐れ敬う気持ちを持つ獣医師になるために必要です」との内容が記載されています。
確かに、「心を持たないメスは凶器にしかなりません」これは虐待に値するものです。
また、「どんなに望んでも助けることができない病気もあります。人間が生き物の生死を自由にできると考えることこそが傲慢といえるのでは?死と向き合うことが獣医師の仕事です。」との言葉が残ります。
「獣医師になるには単に動物が好きというだけなら他の職業のほうが満足できるはずです。」との意見には納得させられました。
この他にも「エキゾチックペットについて」等、様々なカテゴリがありますので、活用してみることをお勧めします。
※参考サイト:動物実験の実習など、生き物を殺さずに獣医師になれませんか
(動物実験の実習など、生き物を殺さずに獣医師になれませんか)
興味深い内容がたくさん詰まっているこちらのサイトでは、他にも動物園や水族館の情報や動物関係職種求人求職といった求人情報も載っています。
獣医師の広場というカテゴリでは、別サイト紹介として、小動物獣医師セミナーや実験動物セミナー、獣医大学についての情報や獣医大学の附属病院の情報等が紹介されています。
獣医師と直接相談できるサイトとして獣医師を目指している方には貴重な情報源になると思います。一度覗いてみてはいかがでしょうか。