獣医大学院について

獣医大学院について

獣医大学院ってどんなところ?と感じた学生さん必見です。
獣医学部を修了したあと、より専門的な研究をしたいと思ったら、獣医大学院へ進学するという選択があります。国内だけではなく、海外の獣医大学院へ進学することも可能です。
自分がどんな研究をしたいかによって獣医大学院という進路を選ぶと、より深い研究ができます。獣医大学院に進学する方法や大学院で何年学ぶのかといった疑問について一緒に学んでいきましょう。

獣医大学院の受験資格、設置大学は?進学するとどんなメリットがあるの?

まず、どんな人が獣医大学院へ進学できるのかという「受験資格」を知りたいですよね。
獣医大学院への進学は、6年制の獣医課程を修了した学生と6年制の医学や歯学の過程を修了した学生に認められています。また、4年制の大学を卒業した場合も博士課程が修了していればすべての大学院において6年制学部卒業者と同等の受験資格を認めています。(※大阪公立大学(旧:大阪府立大学)のように4年制学部卒業後、研究生として2年間修学してからでないと受験資格が認められない場合もあります。)

では、獣医大学院を設置している大学は、全国にどれくらいあるのでしょうか。
国内には17校あります。国立10大学(帯広畜産大学・北海道大学・岩手大学・東京大学・東京農工大学・岐阜大学・鳥取大学・山口大学・宮崎大学・鹿児島大学)と、公立1大学(大阪公立大学(旧:大阪府立大学))と、私立5大学(酪農学園大学・北里大学・日本獣医畜産大学・日本大学・麻布大学・岡山理科大学)です。
そのうち北海道大学と東京大学、大阪公立大学(旧:大阪府立大学)と私立の5大学はそれぞれ独自の大学院があります。
その他の獣医大学では、帯広畜産大学・岩手大学・東京農工大学・岐阜大学の4大学で構成されている岐阜大学連合大学院と、鳥取大学・山口大学・宮崎大学・鹿児島大学の4大学で構成されている
山口大学連合大学院になります。
大学によっては臨床系の研究室への配属を希望する場合、獣医師資格を必要とする大学(例:酪農学園大学)もあります。
※日本獣学会Q&Aより
www.jsvetsci.jp/10_Q&A/Q&A-Uni.html

獣医大学院の在学年数は博士課程の4年間のみです。獣医学部が6年制のため修士課程が存在しないので、学部卒業後はそのまま博士課程に進学となります。このため、獣医大学院の在学年数は、4年間のみとなるのです。

大学院に進学するメリットとしては、獣医学の博士取得が可能であること、また理論的な思考と専門的な知識を習得できることが挙げられます。自分の興味のあること、目指す分野についてより専門的なことを追求することができるので、就職先で今後どのような研究が必要かを理解することができます。
また、卒業後の進路として臨床獣医師となる場合は獣医大学院で習得した知識を日々の診療に活かせるでしょう。

獣医大学院は獣医学科を出ていなくても行ける?

先に述べたように他学部・他学科からの獣医大学院への進学は可能です。
社会人でも、獣医大学院に進学することはできます。獣医大学の多くが社会人大学院生の受け入れを行っています。
日本国内の社会人大学院生の場合、卒業するまでさらに4年かかるということを考慮して卒業後の進路を考えたほうがいいでしょう。
学生によっては卒業後の進路としてそのまま研究室に残り、研究を続ける場合もあります。
大学院ごとに研究内容が違うので自分に合った獣医大学院を選択する事が今後の就職先を含めた進路選択の際に重要となってきます。
受験資格や学費はそれぞれの獣医大学院によって異なりますので、調べてみましょう。

海外の獣医大学院について

海外の獣医大学院への進学について、ここではアメリカの場合を例にお伝えします。
アメリカの場合獣医大学数が限られているため、医学部とともに最難関の分野とされています。
アメリカで獣医になるためには、理科系の4年制大学を卒業したのち獣医学部に入学して4年間勉強するので、獣医学士を取得するには8年間かかります。博士号を取得するには学部卒業後4年間大学院に通います。合計すると、獣医師として博士をとるために最低でも12年間かかかります。
専門医になるためには、学士取得後3年から4年以上獣医学部でトレーニングを受けて、試験に合格しなければなりません。こちらの場合は通常10年以上はかかるとされています。
獣医学士は必要ではないけれども、博士号を取得したい場合には、4年制大学を卒業後獣医学系の大学院に入ることができますが、8年はかかります。しかし、博士号を取得しても獣医師として働くことはできません。なぜなら、働く州ごとにその州の獣医師免許を取得する必要があるからです。獣医学部の学費も高額なので、多くの学生は奨学金を受けているようです。
獣医学教育が発達しているのはアメリカやイギリスといった諸外国です。日本も諸外国に劣ることなく発達していますが、専門医の教育においてはまだ発展途上といえるため、海外の獣医大学院で学ぶことは有意義なものになるでしょう。海外の獣医大学院については、各大学により特徴が違うので、それぞれの大学院のホームページを参考にしてみてください。

獣医大学院へ進学することで、より専門的な研究ができます。獣医大学院卒業後の就職先ではよりいっそう研究が進み様々な発見が期待できるでしょう。社会人大学院も各大学で募集しています。自分がどの分野を研究したいかによっても進学先が左右されますので、何を研究したいのか明確にしてから大学院を選択するとより専門的な教育を受けられるでしょう。
また、海外においても専門的な教育が進んでいるので、海外での勉強も視野に入れると、新しい発見があるかもしれません。
獣医大学で勉強した後、国内の獣医大学院へ進学、さらに海外の研究室へ留学をするといった進路を選択する学生が多いのも事実です。

獣医大学院の学費は、例えば岐阜大学の場合、大学院研究科の授業料は年額で535,800円です。(入学料282,000円・検定料17,000円)学費や研究にかけられる時間や金額を考慮して自分に合った獣医大学院を選びましょう。

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