2026年10月24日(土)、鳥取大学 鳥取キャンパスで開催されたVCESアカデミー2026@鳥取大学に、Pettie編集部として参加してきました。
14時から17時まで、約3時間にわたって行われた今回のイベントには、鳥取大学の獣医学生を中心に、全学年の学生が集まりました。会場の鳥取キャンパスは、JR鳥取大学前駅のすぐそばにあります。
鳥取大学の共同獣医学科は、岐阜大学と共同でカリキュラムを組む、全国でも珍しい学科です。
2026年7月には、2028年4月に「共同獣医学部」を新設する構想が発表されました。
さらに10月6日には、老朽化が進む動物医療センターに代わる新棟の整備構想も発表され、いま大きな転換期を迎えています。
そんな鳥取大学で学ぶ学生たちは、何を感じ、どんな将来を描いているのか。恒例の「現役獣医学生インタビュー」を、今回は3名の方にお願いしました。山陰ならではの学生生活のリアルな声をお届けします。

目次
イベントの様子

イベントでは、獣医師による講演(各回約30分)と、ブース形式の業界研究会が行われました。講演のテーマは、AI時代の獣医師の生き方、軽種馬診療、米国専門医の道など、幅広い分野にわたりました。
特に印象的だったのは、講演後の学生たちの動きです。登壇者のもとに質問に向かう学生や、ブースで採用担当者とじっくり話し込む学生の姿が、会場のあちこちで見られました。
鳥取大学の獣医学科は1学年35名と少人数のため、学年を越えて「あの先生の講演、聞いた?」と声をかけ合う場面も多く、アットホームな雰囲気が印象に残りました。
現役獣医学生インタビュー|鳥取大学 共同獣医学科
ここからは、イベント会場で話を聞いた3名の学生のインタビューをご紹介します。
獣医学科2年生
Q1. 鳥取大学を選んだ決め手は何でしたか?
「少人数で、岐阜大学の先生にも教わるという珍しい環境が決め手でした」
もともと牛や馬などの大動物にも興味があって、いろんな動物を学べる大学を探していました。鳥取大学は、岐阜大学との共同獣医学科で、2つの大学の先生から学べるのが魅力でした。
それから、鳥インフルエンザなどの鳥由来の感染症を研究しているセンターがキャンパスにあることも、他の大学にはない特徴だなと思いました。
1学年35名と少人数なので、先生との距離が近いのもいいですね。

Q2. 岐阜大学との共同教育は、実際どんな感じですか?
「2年生で岐阜に行く授業があって、初めて向こうの学生と顔を合わせました」
普段の講義は、遠隔講義システムで岐阜大学の学生と一緒に受けることがあります。画面越しでも、その場で質問できるので、そんなに困ることはないです。
2年生では、私たち鳥取の学生が岐阜に移動して受ける授業があります。1年生のときは、逆に岐阜の学生が鳥取に来てくれるので、そこで初めて顔を合わせて、仲良くなった友達もいます。
別の大学の学生と一緒に学べる機会って、なかなかないので、貴重な経験だと思います。

Q3. 鳥取での学生生活はどうですか?
「車がなくても大丈夫ですが、冬の雪は覚悟が必要です」
大学の目の前に鳥取大学前駅があるので、大学への通学は自転車と電車で十分です。ただ、買い物や遠出をするときは、車があると便利ですね。
冬の雪は、想像より降ります。雪の日の自転車が使えないので大変です…(苦笑)。
息抜きは、近くの湖山池を散歩したり、友達と鳥取砂丘に行ったりしています。地元の人には当たり前でも、県外から来た私には新鮮で、いつ行っても楽しいです。
獣医学科4年生
Q1. 2028年に「共同獣医学部」ができる構想が発表されました。在学生としてどう受け止めていますか?
「先生たちが前向きに動いている様子が伝わってきて、期待しています」
発表を聞いたときは、正直びっくりしました。ただ、これまでの共同教育の実績を積み上げた先にある形だと思うので、自然な流れかなとも感じました。
私たちは今の共同獣医学科の学生なので、直接の影響は少ないと思いますが、後輩たちがより良い環境で学べるようになるなら嬉しいです。
学内でも、先生や学生の間で話題になっています。
Q2. 動物医療センターの新棟整備構想も発表されました。学内ではどんな反応がありますか?
「放射線治療やロボット手術の話が出ていて、学生はみんな注目しています」
10月に発表された新棟の構想は、学内でも大きな話題になりました。今の動物医療センターは、建物がかなり古くて、実習でも「手狭だな」と感じることがあります。
新棟では、がんの放射線治療が導入されたり、ロボット手術への対応が検討されたりすると聞いて、小動物臨床を目指している友達は特に盛り上がっています。
開所は2029年秋ごろを目指すとのことなので、私が在学中に使えないのは少し残念ですが(笑)、鳥取で最先端の獣医療を学べる環境ができるのは、後輩たちにとって本当に心強いと思います。
鳥取市の動物愛護センターとの連携も想定されていると聞いて、動物福祉に関心のある学生にとっても、学びの幅が広がりそうだなと感じています。
Q3. 実習でも地域の特色を感じることはありますか?
「キャンパス内で牛を飼っているので、大動物に触れる機会が多いです」
鳥取キャンパスには湖山農場があって、黒毛和種の牛を飼育しています。実習で、実際に牛の飼育や管理に触れられるのは、鳥取ならではだと思います。
鳥取は「鳥取和牛」のブランドにも力を入れている県なので、地域の畜産と学びがつながっているのを感じます。
それから、鳥インフルエンザの実習は鳥取で行われます。鳥由来感染症の研究拠点が身近にあるので、最新の研究の話を聞ける機会もあって、感染症に興味がある人にはおすすめの環境です。

獣医学科6年生
Q1. 6年間を振り返って、一番大変だったことは何ですか?
「4年生から5年生の臨床系の勉強と、国試対策の両立でした」
実習や試験が多いのは、獣医学部ならではだと思います。特に、5年生で臨床実習が本格的に始まってからは、毎日が勉強と実習でいっぱいでした。
少人数なので、同級生との助け合いが本当に大きかったです。過去問や実習のコツも、先輩から後輩へ自然に引き継がれていくので、タテのつながりに助けられました。
Q2. 同級生はどんな進路を考えている人が多いですか?
「小動物臨床が多いですが、産業動物や公務員を選ぶ人も一定数います」
犬猫の動物病院を目指す人が多いのは、他の大学と同じだと思います。関西や都市部の動物病院に就職する友達もいます。
その一方で、地元に戻って農業共済組合(NOSAI)や県の公務員獣医師になる人もいます。鳥取は畜産が盛んな県なので、産業動物や家畜衛生の分野に興味を持つきっかけが身近にあるのだと思います。
鳥インフルエンザなどの防疫の分野に進みたいという友達もいて、進路の幅は広いです。
Q3. 獣医学科を目指している高校生にメッセージをお願いします。
「数学・理科・英語の基礎を固めて、少しでも動物と関わる経験をしておくといいと思います」
個別試験は数学・理科・英語の3教科なので、基礎をしっかり固めておくのが大切です。入学後も、英語の論文や資料を読む機会が多いので、英語は特に大事です。
それから、牧場や動物病院の見学など、動物と関わる経験をしておくと、入学後の授業がぐっとイメージしやすくなります。
鳥取は、山も海も砂丘もあって、息抜きの場所にも恵まれています。秋から冬にかけては、松葉ガニもおいしいですよ(笑)。勉強は大変ですが、いい環境で学べると思います。


まとめ
今回、鳥取大学 鳥取キャンパスで開催されたVCESアカデミー2026@鳥取大学に参加し、獣医学科の学生の皆さんに直接お話を伺うことができました。
インタビューを通じて印象的だったのは、共同獣医学部の新設や、動物医療センターの新棟整備構想といった大きな変化を、学生たちが前向きに受け止めていたことです。
「自分は使えないけれど、後輩のために嬉しい」という言葉からは、学科全体で新しい学びの環境をつくっていこうとする空気が伝わってきました。
また、岐阜大学との共同教育や、キャンパス内の湖山農場、鳥由来感染症の研究拠点など、鳥取ならではの学びの環境が整っていることも、あらためて感じました。
1学年35名という少人数だからこそ生まれる、先生や先輩との距離の近さも、大きな魅力です。
偏差値や入試データだけでは見えてこない「学生のリアルな声」が、獣医学科を目指す皆さんの学校選びの参考になれば幸いです。
取材に快く応じてくださった鳥取大学の学生の皆様、そして素晴らしいイベントの機会をくださったVCESの皆様、本当にありがとうございました!

















